こんにちは、らいらいです!
民泊事業をやっていると関連ニュースから目を離せません。
あるニュースをみかけてしまいました。
これを見たとき、素直に
「観光立国にするというのは口だけか」
と思いました。
目次(クリックでジャンプ)
ニュース概要
2017年6月に民泊新法が成立したのはご存知でしょうか。
その詳細として細かいルールが10月27日に公布された「住宅宿泊事業法施行規則」と「国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則」で判明しました。
これがまず一番最初に「んっ!?」となった記事です。
産経ニュース 10月27日
一般住宅に旅行者などを有料で宿泊させる「民泊」事業者の営業方法などを定めた国土交通省令の全容が26日、判明した。27日に公布する。家主が不在にできる範囲や2カ月ごとに義務づけられる都道府県などへの定期報告について具体的に規定。民泊住宅に掲示する「標識」のデザイン例も示し、民泊営業で懸念される周辺とのトラブルなどに配慮している。
省令では、自治体への定期報告について営業日数のほか国籍別の宿泊者数、宿泊者数と日数を掛けた「人泊数」の3項目を2カ月ごとに報告させるとしたほか、家主に義務づけられている宿泊者の住所や氏名などを記した「宿泊者名簿」の保存期間を3年間とすることを盛り込んだ。
6月に成立した民泊新法は、家主居住型の民泊住宅では旅行者の宿泊期間中は原則的に不在が認められていないが、許容される「一時的な不在」の範囲を日常生活に必要な買い物での外出などと定めた。
信じられますか?
家主居住型の民泊ではゲストの宿泊期間中、オーナーが部屋を離れて良いのは日常生活の買い物程度ということだそうです。
ホスト居住型でこの厳しさです。
ホスト非居住型だとどうなるんでしょうね。
トドメの条例
前提
民泊新法では民泊における年間の営業上限日数を180日と決めています。
が、各自治体の条例でこの民泊に関するルールにさらに規制をかけることができます。
条例案例
1:新宿区
「新宿区ルール」により、住居専用地域では月曜日から木曜日までの民泊は禁止。
年間上限稼働日数は「156日」。
2:世田谷区
「住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」により、住居専用地域では月曜日から金曜日までの民泊は禁止。
区長記者会見 11月29日
3:中野区
「中野区住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例」により、月曜日から木曜日までの民泊は禁止。
これらは一部です。
京都市や軽井沢町では民泊を禁止にしたり60日に限定したりともっと厳しい条例を制定する方針です。
問題点
1.宿泊可能な曜日が特定の日のみ
外国人観光客は曜日に関係なく、泊まりにきます。(実体験)
また長期宿泊を希望するゲストもいますが、この法規制では、どこも民泊として受け入れることが出来ません。
じゃあ簡易宿泊所許可を取れば良いと思いますよね?
しかし、この簡易宿泊所許可は要件が複数あり、戸建はまだしもマンションではまず取れません。
その結果、供給が需要に追いつきません。
また外国人観光客が訪れたい観光の要所は地価が高く、基本的には戸建ではなくマンションが立ち並んでいます。
簡易宿泊所を取った戸建ては基本郊外になり、住居専用地域になることが多いです。
そこに、この条例が施行されてしまうとアウトです。
さらに言えば、観光客の利便性も考慮されてないですよね。
2.事業者の収益性
営業上限日数の制限は事業者の収益に大きな影響を与えます。
民泊新法の180日上限でも収益は悪いのです。
ちょっと計算してみましょう。
収入
一泊6,000円で
稼働日数365日:6,000円×365日=約220万円
稼働日数180日:6,000円×180日=約110万円
支払い
月額経費
家賃6万円
備品1万円
電気水道代1万円
月合計8万円
8万円×12ヶ月=96万円
収支
稼働日数365日:220万円-96万円=124万円
稼働日数180日:110万円-96万円=14万円
上限180日でも利益年間14万円しかないのに、さらに短い営業日数に制限されたら?
借り上げてやる民泊は全滅間違いなしですね。
新法施行後の予想
大手の寡占が進む
楽天とLIFULL(旧ホームズ)といった大手会社が民泊業界に参入してきました。
大手ホテルも民泊規制に守られ、出店を加速させてくることが予想できます。
あとは大資本を持った事業者が簡易宿泊所を新築で建てるなどして参入してくると思います。
中小民泊提供者の全滅
新法を元に自治体が厳しく取締りを行うようなら、収益を目的にした中小規模民泊事業者は全滅しそうです。
資本が少なく、簡易宿泊所許可も取れず、営業日数は制限され収益が悪化。
撤退するしかありません。
中小民泊提供者のモグリ化
これが一番可能性が高いと考えています。
自治体に報告せずにモグリでやる方が収益を確保できます。
バレたら撤退という方が増えることでしょう。
まとめ
生活の住環境を守ることは大事だと思います。
しかし、ホテル・旅館業界を守るため、住環境維持のためとは言え、上記の法整備はいかがなものでしょうか?
日本はまたグローバルの世界から取り残されたいようにしか思えません。
日本は胸を張って誇れる素晴らしい国だと思います。
その良さを外国人に体験して欲しいのに、こんなガチガチに固めた法では誰も外国人をもてなすことができません。
残念です。