こんにちは、らいらいです!
ソーシャルレンディングではなかなか明るいニュースが無かったのですが、久しぶりにプラス材料のニュースが出ました。
投資家に融資先の開示が認められました!!
それに何の影響が?と思う人のために、これがもたらす影響を解説していきますね。
目次(クリックでジャンプ)
日経新聞のニュース
先日発表されたのが、このニュース。
金融庁はインターネットで集める個人資金を企業に融資する仕組みで、借り手企業の名称などを開示できるようにする。これまでは借り手企業の情報が伏せられており、個人が安心して投資できないうえに、匿名での調達に目を付けた企業に悪用されることがあった。ネットを使う資金調達の流れが透明になれば、ベンチャー企業の育成に役立ちそうだ。
中略
貸付型クラウドファンディングを手掛けるファンドは、貸金業法上の貸金業者として扱われている。貸金業は借り手の保護が重視され、借り手を特定できる名称や事業内容は原則として開示できない。借り手が優良なベンチャー企業でも、投資家には分からない状態にあった。
日本経済新聞 6月17日より
今までは借り手を保護するという観点から、どこの企業がこのお金を借りているのか隠されていました。
つまり、投資家はソーシャルレンディング業者の判断を信じて投資するしかなかったのです。
もし、このソーシャルレンディング会社が投資家を騙そうという悪意を持っていたらどうなるでしょうか。
そして、実際に下記の問題が起こりました。
匿名によって生じた問題
みんなのクレジットがこの匿名性を使って問題を起こしました。
週刊東洋経済の図解記事が詳しくまとまっているので引用。
要点をまとめると
・みんなのクレジットの貸付先は同じグループ会社
・グループ会社が返済不能になり、みんクレは債権譲渡
・31億円の債権が約1億円で売却され、投資家の30億円が消える
投資家がどこにお金を投資しているかわからないことをいいことに自社グループでお金を循環させ、最後には潰しておしまい。
貸し手と借り手がグルになっていたら投資家にとって、この詐欺は防ぎようがありません。
借り手保護という匿名性を悪用されたのです。
らいらいの今後の予想
以前参加したオーナーズブックのセミナーで投資先を開示したいのに規制で開示できないことをボヤいてたことを思い出しました。
そりゃそうですよね。
堅実に案件を探して、実行している事業者からすればむしろ自信を持って貸付先を開示したいはず。
今回の規制緩和に伴い下記のメリットとデメリットが出てくるんじゃないかなと思います。
メリット
借り手企業の情報が開示されることで、投資家は投資判断を行ないやすくなります。
投資家はソーシャルレンディング業者の判断方法をうかがい知ることができ、借り手自体の評判も確認が出来ます。
ソーシャルレンディング業者が絞られ、優良なところ以外は消えていくことでしょう。
また、ソーシャルレンディング業者毎に特徴が分かれてくるかもしれません。
・利回りは5%しかないけれども投資先はしっかりとしている。
などなど。
いずれにせよ投資家が自分で判断が出来るようになるのはとても大きいメリットです。
デメリット
利回り低下と案件の減少が起こるのではないでしょうか。
なぜなら、借り手が開示されることによって金貸しのプロである銀行が目をつける可能性が高いです。
資金を欲している企業に銀行が直接ソーシャルレンディングの利率より低い金利貸せばいいのですから。
となると、ソーシャルレンディング業者も銀行と同等以下の利回りでしか貸せなくなります。
現在ソーシャルレンディングの利回りは大体どこも4%以上ありますが、間違いなく銀行が貸し出す金利より高いです。
そして、今まであった10%近い利回りのものは銀行が貸せないような借り手の場合しか出てこないかもしれません。
もちろんその分リスクが跳ね上がっています。
これは銀行が貸したくないor貸せない企業に貸すことになっていますからね。
銀行に借り手を奪われる、貸付金利が下がるといったデメリットは起こりそうです。
まとめ
ソーシャルレンディング業界は拡大している中、新しいビジネスであるために法規制が追いついてませんでした。
今回の法整備はソーシャルレンディングをちゃんとした物にするという点で大きな意味を持つでしょう。
ぼくは当初からソーシャルレンディングに関しては健全性や安定性を重要視しているのでこの規制緩和は大歓迎です。
そして堅実性を考えると、将来的には3%~5%の利回りが基準になってくることでしょう。
堅実性や安定性を重視するならオーナーズブックが今のところ一番固いと思います。